何もしていないのに首肩が苦しいのはなぜ?

健康の教科書 Vol.07「何もしていないのに首肩が苦しいのはなぜ?」の表紙(イラスト)

「何もしていないのに、首肩が苦しいのはなぜ?」。
なかなか良くならない方から、実際に聞かれた言葉です。
はっきりしたきっかけが思い当たらないとき、何を手がかりに考えればよいのでしょうか。

目次

きっかけがないときは生活を振り返る

その方には、無理をした覚えも、強い痛みが出た瞬間も、
日常生活の中ではなかったといいます。
そこで私は、何か一つの出来事を探すのではなく、その方の一日の生活をすべて伺いました。

はっきりした瞬間が見つからないなら、普段どのように過ごしているかを順にたどってみる。
特別なことをしたかどうかだけに目を向けず、いつもの過ごし方を聞くことから始めました。

持ち方や姿勢が負担の手がかりに

生活を伺う中で、私が気になったのは、
スマホをどちらの手で持ち、どのような状態で見ているかということでした。
首肩の症状を考えるうえで、持ち方と見るときの姿勢を確かめたいと思ったのです。

その方には右の親指の付け根の痛みがあり、手首や腕にも苦しさがありました。
首肩にも痛みがあったため、どんな状態で見ているのかを詳しく伺いました。
首肩だけでなく、手や腕のことも含めて聞いています。

伺った姿勢の一つは、布団に横向きで寝そべり、右手でスマホを持って見るものでした。
もう一つは、スマホが重いためあまり持ち上げず、
顔をスマホに近づけるように、首を深く曲げて長時間見る姿勢でした。

うつむく姿勢で首肩に何が起こる?

頭の重さは一般的に四、五キロほどあり、それを首で支えています。
院長の説明では、頭を前に倒すほど、角度に応じて首にかかる負担は大きくなります。
場合によっては、四、五キロの頭の重みが二十五キロほどの重みに相当する負担になるといいます。

長時間続けていないつもりでも、五分、十分といった時間に同じ姿勢をとり、
それを一日の間に繰り返していれば、負担は蓄積されます。
院長は、首肩から背中にかけて筋肉が引っ張られ、痛みにつながると説明しています。

目線に近づける工夫から始める

私自身も同じような症状に悩み、痛みや苦しさに加えて手にしびれが出たことがあります。
スマホを手に持って見ることを少しでも減らそうと、目線の位置で見られるアームを使い始めたところ、
私の場合は症状が大きく改善しました。その経験を、その方にもお伝えしました。

ただ、最初からアームを勧めたわけではありません。
大切だとお伝えしたのは、スマホを自分の目線に近いところで見て、
うつむく姿勢を減らすことです。そのために使えるものがないか、まずはその方に伺いました。

その方は部屋の構造上、別の工夫がなかなか難しく、ご本人からアームを試したいという希望がありました。
そこで、私が購入して使っているものがどういうものかをお伝えしました。
まずは自分の環境で、目線に近づけて見られる方法がないか考えるところから始めてみてください。

手の痛みやしびれがあるときの相談目安

首肩の苦しさに加えて手の痛みやしびれがあるとき、私は、
仕事や日常生活に大きな影響が出ているかを一つの目安と考えています。
今の困りごとが、普段の生活にどのくらい関わっているかにも目を向けてみてください。

また、痛みや強いしびれが伴い、三日間続くときには、
相談や受診をお勧めしています。
姿勢を見直すことだけで済ませず、生活への影響や痛み、しびれが続いているかも、相談を考える際の手がかりにしてください。

まとめ

無理をした覚えや、強い痛みが出た瞬間がないときは、
一日の過ごし方を振り返ることが手がかりになります。
スマホをどちらの手で持ち、どんな姿勢で見ているか。その方の生活を伺う中でも、こうした点に目を向けました。

頭を前に倒す姿勢の負担は、短い時間でも一日の間に繰り返せば蓄積されると院長は説明しています。
まずは、顔を下げず、スマホを目線に近いところで見られる方法がないか、
自分の過ごし方に合わせて考えてみてください。

健康の教科書

健康は、毎日の小さな気づきから始まります。

私たちは、症状だけを見るのではなく、その先にある「あなたらしい毎日」を大切にしています。

「健康の教科書」が、皆さまの毎日を少しでも健やかに過ごすきっかけになれば幸いです。

気になる症状やお困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。

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